制限予算のめやす1000円で、探し当てるおいしい“おみや”、志あるお店…苦闘の末の歓喜の味をご披露。

涼やか枇杷ゼリー。

長崎特産の茂木ビワを丸ごと包んだ涼菓子。 『茂木ビワゼリー』(長崎県)

 夏に食べたい甘いもの…かき氷に冷やしたスイカ、わらびもち…。なかでも、果実のみずみずしさに涼を感じられるという方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、地元名産のビワとゼリーを組み合わせた夏ならではの涼菓です。
 
 海と山に囲まれた小さな港町・長崎県茂木町。こちらの特産は生産量全国一を誇る「茂木ビワ」。この「茂木ビワ」は江戸時代末期、唐(中国)船が長崎にもたらしたといわれています。この種を当時の茂木ムラに住む女性がもらいうけ、蒔いたものが現在の茂木ビワの原木なのだそう。それまで日本に自生していた渋みの強いビワと違い、大きくて甘いことが特徴です。初夏の味覚として知られるこの果物が出まわるのは、露地物の場合、5月から梅雨入りのわずかな期間。そんな旬の短い茂木ビワを一年中おいしく味わえるようにと「茂木ビワゼリー」を考案したのが、現在の社長でもある茂木一○香本家の六代目です。

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 アク抜き後、渋皮などをひとつずつ手作業で取り除いた肉厚の茂木ビワを丸ごと一個、ゼリーでやさしく包み込んだ自慢の一品。実はこのゼリー、よく見かけるようなカップ入りではなく、アルミで包装されています。これは、カップだとビワが光に当たることで酸化して、風味が変わってしまうので、それを防ぐために考えられたもの。さらに密封することで、常温でも保存できるようになり、そのままつるんと食べられるのも魅力です。ビワの芳醇な香りとほのかな甘酸っぱさが引き立つよう、ゼリーは甘さ控えめに。ジューシーでさわやかなのどごしは、甘いものが苦手という方にもおすすめです。冷たく冷やして、また凍らせてシャーベットとしてもおいしく食べられます。見た目にも涼しげなゼリーに、夏の暑さをしばし忘れてみませんか。


長崎ならではの銘菓を作り続ける
【茂木一○香本家(もぎいちまるこうほんけ)】
長崎県長崎市茂木町1805
TEL0120-49-1052
http://www.biwajelly.co.jp/

■デザイン/有限会社ガラモンド ■写真/オフィスtag 谷内寿隆

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