制限予算のめやす1000円で、探し当てるおいしい“おみや”、志あるお店…苦闘の末の歓喜の味をご披露。

キラキラようかん。

きらきら輝く宝物みたいな“お菓子箱”。 『一枚流し麻布あんみつ羊かん』(東京都)

 おやつや食事の後にいただくお菓子は、味はもちろん見た目も大事にしたいもの。せっかくなら、開けた瞬間、わっと歓声が上がるようなお菓子はいかがでしょう。そんなインパクトのある素敵な和菓子を東京で見つけました。

 各国の大使館が点在する東京・麻布。このあたりは、江戸時代には大名屋敷、明治以降は華族や実業家が移り住んだ山の手のお屋敷街でした。その名残で、都心ながらも閑静なエリアの一角にある「麻布昇月堂」は、大正7(1918)年創業。現在三代目となるご主人が伝統を受け継ぎながらも、独自の和菓子を作り続けています。店名の「昇月堂」にちなんで、月をイメージした和風の店内には茶寮もあり、季節のおいしい生菓子とお茶をいただきながら、ゆったりした時間を過ごすことができます。

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 今回ご紹介する「一枚流し麻布あんみつ羊かん」は、10年ほど前に「暑い夏にぴったりの涼菓を」と、ご主人が考案したオリジナル。当初は夏限定の季節菓子だったものが「手土産にもぴったり」と口コミで人気を集め、今では一年中楽しめる看板商品になったのだそう。この羊かんのベースとなるのは、時間をかけてやわらかく煮上げた大粒の丹波産小豆がたっぷり入ったつぶし餡。寒天で固めているので、甘すぎず、やさしい口当たりです。そしてあんみつの具としてはずせないコシのある寒天、もっちりやわらかな求肥、自家製のほっくりとした栗の甘露煮が散りばめられ、それぞれ異なる食感と彩りを添えます。あっさりいただける上品な味わいはもちろん、目でも楽しめる逸品。

 今年も終わりが近づいて、まもなく新しい年が始まります。仕事の合間の休憩時間にも、温かいお茶と一緒にみなさまでどうぞ。


もうひとつの名物「麻布の月」も人気。
【和菓子司 麻布昇月堂】
東京都港区西麻布4-22-12
TEL03-3407-0040

■デザイン/有限会社ガラモンド ■写真/オフィスtag 谷内寿隆

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